経営シュミレーションの効果

ソニーグループとソフトバンクグループは、2025年11月11日、過去最高を更新する好決算を発表しました。両社とも、さらなる飛躍が期待できるビジネスを確立したと私は評価しています。成長株としての保有を推奨します。

楽天証券経済研究所 チーフ・ストラテジスト 窪田 真之氏

楽天証券様 トウシル記事 https://media.rakuten-sec.net/articles/-/50674

上記の記事は2025年11月の、楽天証券経済研究所の窪田さんの記事です。

わたしが楽天証券さんに出向していた頃は、故:山崎元(はじめ)さんも経済研究所にいらっしゃり、大変楽しかった想い出があります。我々チームが、元さんが使用していたプライベート・ルームを譲って頂いた過去もあり・・・一瞬、微妙な空気が流れましたが・・・きっと天国で許してくださっていると(というか、とっくに忘れていると)思います(たぶん)。

さて今回は、経営シュミレーションゲームを産みだした企業(ソニー)様と、導入された企業(ソフトバンク)様が、「過去最高の好決算」という記事をみて、単純に嬉しくなったので筆をとりました。

ソニー「マネジメントゲームMG」の概要はこちら

この記事で、弊社が個別の成長株銘柄の保有を推奨している訳ではありませんし、ソニー様発の経営マネジメントゲームを使用したことによる実績がすべてだとは言いません。

ただ、現在導入されている他企業様を拝見すると、日頃から経営者様や従業員様が、先の読めない時代の流れに危機感を持ち、利益の構造を真剣に理解しようとしているな…と強く感じます。

これは単に「意識の差」だと思います。

そしてその「差」は、見えないところで既に大きくなっているのではないでしょうか。

なぜならマネジメントゲーム(経営シュミレーション)は、実戦さながらの体験型ゲーム。

とても疲れます。

2日、ないしは3日をかけて行われる、ボード型シュミレーションゲームは、非常に速いスピードでなされる意思決定を主軸に、リーダーシップ、自己責任、自社や市場全体を俯瞰して把握する能力、利益をあげるための戦略、記帳、決算(B/S、P/Lの作成)の締め。

と、ボードゲームでありながら、とにかく全力で脳みそを使うので、非常に疲れるのです。

ぶっちゃけ仕事の方が楽です…

しかし

難解な企業会計を、超シンプルにしているため、繰り返せば繰り返すほど強くなります。

失敗を重ねれば重ねるほど、洗練されてきます。

数字を見ないで、経営は語れません。

ビジネスに携わる限り、会計と無関係でいる事はできません。

ましてや経営型人材にとって会計は必須の道具であり、しかも高いレベルで使いこなす事が求められます。詳しくは、また別の記事で紹介しますが、会計は専門家だけの領域ではないのです。

また

「使えなければ会計ではない」

これが、このシュミレーションゲーム「行動会計(行動することを目指した会計体系)」の根幹です。

お勧めは、最低100期(100年分の経営)をシュミレーションし、体験することです。

話はぜんぜん変わりますが。

外資系企業には、レイオフ(業績悪化時などに再雇用を前提として従業員を一時的に解雇すること)や、リストラ(整理解雇)が、日常にあります。

そのため、各個人が「株式会社自分」という、バーチャル法人的な考えを持っていたように思います。

企業内にあって、バーチャル法人(経営者)視点を持って働く事のいいところは、

常に俯瞰して自分の働き方を見直せたこと

理不尽な要求については、自分の意見を述べ話し合いができたこと

会社が提供してくれた教育に対して、感謝して全力で返せたこと

自分で自分をバリユーアップさせるのが日常だったこと

自責思考が身に付いた事

無駄に心が病まない事

他にも沢山あります。

また、これからの時代、AIに代替されない能力も非常に大切になってきましたが、以下にあげる「AI代替が難しい能力」も、この経営シュミレーションゲームで鍛えられます。

1.創造性・企画発想力

2.コミュニケーション能力・対人関係能力

3.戦略的思考力・課題解決力

4.選択力・意思決定力

5.主体性・行動力・チャレンジ精神

特に、2つめのコミュニケーション能力は、ボードゲームの特性上、老若男女問わず同じゲームをプレイすることができるので、非常に幅広く効果的に鍛える事ができます。

今回の記事、前出2社様は、既に大企業だったから意識が高かったのではありません。

50年前、まだ会社規模の小さい頃から、経営者が先行投資として全従業員が「経営を学ぶ」というところに、重きを置いてきた企業様なのです。

だから、世界で戦える規模になった。

だから、一番いい形で投資回収ができた。

そうみて取るのが妥当ではないでしょうか。

強い企業をつくるのは、強い社長だけではありません。

そこで働く1人1人のメンバーが、経営者視点を持っていれば、いずれ自分が勤める会社を自分で経営すると思えれば、自主的にコストカットする、自主的に利益を上げようとする、自分の給料は自分でつくる、などなど、そういった質のよい日常業務、日常習慣を持つことが可能となるのです。

目指すのは「全員経営」です。

それこそが、一番確かで、豊かな先行投資ではないでしょうか。

たとえ1企業にこだわらずとも、お住まいの地域全体を1つの企業と考えた時はどうでしょうか?

GDP(国内総生産/Gross Domestic Product)を考えた時はどうでしょうか?

世界との競争力はどうでしょうか?

日本の企業は、日本人は、まだまだ強くなれると思います。

絶対に。

それでは、また次回!